並列・直列接続でビジネス文章を組み立てる方法

文章の書き方
この記事では文章の組み立て方について説明します。
ビジネス文章を上手く組み立てることができずに困っていないでしょうか。
それは文章のつなげ方を知らないためかも知れません。
文章は全体から個別へ、並列・直列接続によってつなげていきます。
文章のつなげ方を知ることで文章をすらすらと組み立てられるようになりましょう。
【まとめ】 並列・直列接続でビジネス文章を組み立てる方法

最初にまとめです。

並列・直列接続でビジネス文章を組み立てる方法 まとめ

はじめに

文章は全体像から個別内容の説明、これを入れ子のようにつなげていきましょう。
つなげ方には並列接続と直列接続があります。
並列接続は種類やレベルが同じで関係のある情報を表のように書く方法です。
直列接続は種類やレベルが異なるが関係のある情報をフローチャートのように書く方法です。
他の情報とつながらない情報が現れたら省きましょう。
つなげて1つのまとまりにするときに、まとまりの構成要素が7個前後となるようにします。

全体像から個別へ説明をつなげる

全体像の説明から個別内容の説明、これを入れ子のように繰り返してつなげていくことで、文章が分かりやすくなります。

全体像から個別内容とは、結論から根拠、システムからモジュール、上位概念から下位概念、抽象から具体、年間から期間、地域から場所のように展開することです。

文章の読み手は入力される情報を読み手なりに整理して全体像を作り理解しようとします。
読み手に全体像を一から作らせると負担が大きいため、書き手の方で事前に与えるようにしましょう。
全体像が事前にあると考える手間が省けるほか、全体像の作り間違いによる誤解を減らすことができます。
個別内容もさらに細分化して説明するようでしたら、最初に全体像の説明を行います。

注意点として、全体像で述べていないことを個別内容で出してはいけません。
読み手を混乱させますし、そもそも不要な内容である可能性が高いです。
全体像で説明したことを説明した順に個別内容で述べていきます。

種類・レベルが同じで関係のある情報は並列につなげる

種類やレベルが同じで関係のある情報は並列につなげる、すなわち、表を作るように同じ属性、同じ表現で書き、重要なものから順に並べて書きます。

種類やレベルが同じ情報とは、動物で例えると、ライオン、ゾウ、キリン、イヌなどです。
ここに草、花、木など動物ではない植物の話を加えると、同種ではない異種の情報が混入しますので読み手に混乱が生じます。
また、同じ動物ですが鳥類、爬虫類など上位のカテゴリーの話を加えると、話の具体度のレベルが合わず、読み手に違和感が生じます。

種類やレベルが異なる場合はグループを分けて同じになるようにしましょう。
また上手く分けることができない場合は、以降で説明するように直列で接続できないか検討しましょう。

同じ属性で書くとは、上記の例だとライオンについて食性、生息地、頭数を書いたなら他のゾウ、キリン、イヌについても同じように書くということです。
ゾウは食性だけ、キリンは生息地だけ、イヌは頭数だけ書いてはいけません。

同じ表現で書くとは、上記の例だと名称をカタカナで統一する、頭数は数字で書くということです。
名称がライオン、キリン、像、犬と混在していたり、頭数がライオン、ゾウ、キリンは「〇万頭」なのにイヌだけ「たくさん」と書いたりしてはいけません。

同じ属性、同じ表現で書いていないと読み手に不足感、不信感を与えることになります。

情報を書いていく順番も重要で、基本的に重要なものから書いていきます。適当に書いてはいけません。
以下の例では結論となった候補、重要視する観点を最初に書いています。

例) モジュールXの外注先を選ぶ
〇結論:
モジュールXはA社に外注を出す。
〇根拠:
外注先の候補にはA社,B社,C社の3社がある。
A社の品質は良い、コストは普通、リードタイムは普通である。
B社の品質は普通、コストは良い、リードタイムは普通である。
C社の品質は悪い、コストは良い、リードタイムは良いである。
モジュールXは品質が最重要であるため、品質が最も良く、コスト、リードタイムにも問題がないA社を選択するのが妥当である。

種類・レベルは異なるが関係のある情報は直列につなげる

種類やレベルは異なるが関係のある情報は直列につなげる、すなわち、フローチャートを作るように関係を一本に、真っ直ぐつなげて書きます。

並列接続でつなげることのできないものは直列接続でつなげてみましょう。

関係としてつなぐことができるものは因果関係や情報に流れがあるもので、既知から未知へと順につなげていきます。
以下のようなイメージになります。
・AはBである。BはCである。CはDである。

因果関係でつなぐ場合の例を以下に示します。

例)アラゴの円板
〇説明:
円板状の金属にU字型磁石を近づけ動かすと円板もつられて動く。
〇原理:
磁石の磁界が動くと電磁誘導により円板状の金属内に渦電流が流れる。円板状の金属内に流れる渦電流と磁石の磁界により円板の円周方向に力が生じる。円周方向に生じた力が円板を回す。

情報の流れでつなぐ場合の例を以下に示します。

例) PDCAサイクルの説明
P(Plan)で計画を立てます。立てた計画をD(Do)で実行します。実行した結果をC(Check)で評価します。評価を基にA(Action)で改善を行います。改善を行ったら再び計画、実行、評価、改善を行い、以降これを繰り返します。

直列接続でつなげるときは分岐したり戻ったりしないようにします。
分岐しないと不自然になるときは同じ情報のまとまりにせず分けて、並列接続にできないか検討をしましょう。
このように一本に、真っ直ぐつなげると理路整然とし、分かりやすくなります。

無関係な情報は省く

文章を組み上げていくうちに、いずれともつながらない無関係な情報が出たら、無理に入れずに思い切って省きましょう。

集めた情報を全て使えるとは限りません。無理に入れると読み手を混乱させることになります。

例えばあなたが建物の地図を見たときに、どこにもつながっていない部屋が描かれていたらどう感じるでしょうか。
何か意図があるのではと無駄に考えたり、この地図は間違っていると考えたりするかもしれません。

良い影響を与えることはありませんので、どこにもつながらない情報は無駄と割り切って省きましょう。

同じまとまりに含める情報の数

並列接続、直列接続でつなげて1つのまとまりを作るとき、まとまりの構成要素は7個前後を目安にします。

目安が7個前後となる根拠は、人間が一度に認識できる情報の数が7±2個であるためです。
基本が7個であると考え、文章を読むことが得意な人や肉体的・精神的に余裕がある人は+側に上振れ、文章を読むことが苦手な人や肉体的・精神的に余裕がない人は-側に下振れます。
下振れを考慮して分かりやすさを重視するなら下限の5個を目安にしていいかもしれません。

入りきらない場合は優先順位の低いものから切り捨てるか、並列接続にする個所を増やして一つのまとまりが7個前後になるように調整します。

おわりに

以上が文章の組み立て方です。

全体像の説明から個別内容の説明、これを入れ子のように繰り返してつなげていきます。
つなげ方は2つあり、並列接続は種類やレベルが同じ情報を同じ属性、同じ表現で並べて書き、直列接続は種類やレベルは異なるが関係のある情報を一本に、真っ直ぐつなげて書きます。
途中、いずれともつながらない無関係な情報が出たら思い切って省き、情報のまとまり1つ当たりの構成要素が7個前後となるように納めましょう。

参考文献

以下が参考にした文献です。
例文も豊富に書いていますので、ぜひご覧ください。

倉島保美:書く技術・伝える技術(初版),あさ出版(2020)
別所栄吾:ロジカルな文章の書き方超入門 (初版1刷), ディスカヴァー・トゥエンティワン(2021)

 

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